口の中の汚れは命にかかわる?誤嚥性肺炎
2016年08月26日
誤嚥性肺炎とは?
口の中は食べかすやそれを餌にして繁殖した細菌の巣窟となっています。
それが誤って気管から肺に入り(誤嚥)、肺で病気を起こすことを「誤嚥性肺炎」といいます。
ほとんどが寝ている間に起こる
起こり方は主に2つあります。
ひとつは食事中飲食物が食道ではなく、誤って気管に入るもの。たいていの場合はむせることで、気管から異物を吐き出そうとしますが、一部が気管に入ってしまうものです。
もう一つは睡眠中気づかないうちに、細菌を含んだ唾液を誤嚥してしまうもので、こちらの方が多いといわれています。
高齢者は気管支の線毛運動が弱いうえ、せきをする力も弱いため、気管に細菌が入っても出すことができず、肺炎を起こしてしまいます。
口の中の細菌が起こす誤嚥性肺炎で亡くなる高齢者がたくさんいます。
特に脳卒中(脳血管障害)の後遺症がある人や感染に対して抵抗力が弱い人、老化によって嚥下機能が低下している人などは要注意です。
誤嚥性肺炎を決して甘く見てはいけません。
日本人の死亡原因の4位である肺炎は高齢者に多く、65歳以上の高齢者が9割以上を占めています。
肺炎の原因菌の代表である肺炎レンサ球菌は多くの高齢者の口腔内から検出されます。
歯周病菌や緑膿菌、ブドウ球菌などの口腔常在菌も肺炎の原因菌となることもあります。
死亡原因についてこのうち誤嚥性肺炎はどのくらいの割合を占めるかははっきりしませんが、かなり多くを占めると推測されています。
誤嚥性肺炎の予防
①脳、精神運動機能の活性化:臥床による全身および脳・精神運動の低下を防ぐために積極的にリハビリを行い、日常生活の機能を保持するとともに、脳精神機能を活性化するように努める。
②口腔内清掃:口腔内常在菌の繁殖と食物残渣を防ぐために口腔内の清潔を保つ。
③鎮痛剤・鎮咳剤の不適切な使用の禁止。
④食事の形状に配慮
⑤互食後座位を保つ
⑥その他:全身の清潔、日光浴など
誤嚥性肺炎にならないためにも予防と対策を心がけましょう(^_-)-☆
ドライマウス(口腔乾燥症)
2016年08月01日
今回はドライマウス(口腔乾燥症)についてお話ししたいと思います。
なんだか口の乾きが気になる…
ネバネバ感がある…など、気になったことはありませんか?
実はそれドライマウス(口腔乾燥症)かもしれません。
ドライマウスによくみられがちな症状
・食事中に頻繁に水分をとる
・唇が乾いて皮がむける
・パサパサしたものが食べにくい、飲み物がないと食べられない
・口の乾き、ネバネバ感がある
・舌がピリピリする
・口の中が熱く、醤油やワサビの刺激を強く感じる
・何を食べても味がなく、おいしくない
・義歯が擦れて痛いことがよくある
・しゃべりにくい
この他にも喉頭がんの放射線療法をしたため、唾液腺が損傷を受け唾液が少なくなっている方や、白血病の治療で骨髄移植し、免疫療法の副作用で唾液が少なくなったなど特殊な病気のためドライマウスになってしまい、歯や歯周組織にダメージを受けている方も多いようです。
ではどうすれば対処できるのでしょうか?
原因はいろいろあるので、それに応じた対処が必要になります。
・よく噛まなくなったため、唾液腺の機能が低下して唾液が少なくなっている場合
シュガーレスのガムやキャンディーを口にして唾液腺の機能を促進するといいでしょう。
また、食事中の噛む回数を増やす事も大切です。
あごの周囲にある唾液腺のマッサージも有効です。
・ストレスの原因が強く疑われる場合
ストレスを回避する生活を送るか、うまく乗り切るコツを会得できるようになりましょう。
・高血圧やうつ病のために処方されている薬の副作用による場合
該当する薬を使用している場合は、薬の量を減らせないか担当医に相談してください。
ドライマウスになった場合は飲み物を持ち歩き、口の中の湿潤を保ち、歯磨きやうがいで清潔にすることが必要です。
症状が重ければ、ドライマウス用の保湿剤を利用すると、症状が緩和され、日常生活が楽になりますよ(^-^)
気になる方はお気軽に当院へご相談下さい。
ミドルエイジのホワイトニング
2016年07月11日
若い頃はそれほどではなかったと思うけど
『私の歯、なんだか黄色っぽい・・・?』
最近このようなお悩みをお持ちではありませんか?
実は…年とともに歯の色は変わっていくんです!
その理由は主に2つあります。
①年齢を重ねると象牙質の厚みが増すため
エナメル質(歯の表面)の内側にある象牙質は長年噛んで使っているうちに鍛えられ、
分厚くなっていくからです。
象牙質はもともとエナメル質よりも黄色みが強く、この厚みが増すことによって
年齢とともに歯の黄色みが増していくのです。
②エナメル質がすり減っていくため
象牙質を覆っているエナメル質が使っているうちにすり減って薄くなると
象牙質の色が透けて見えやすく、歯が黄色っぽく見えてしまうのです。
実年齢よりもお若い方の歯にも、残念ながら歳相応の変化は起きてしまいます(>_<)
そこで近年ではホワイトニングがアンチエイジングとして取り入られるようになってきています♪
若い女性が希望されると思いがちですが、40代以上の方が70%近く!70代以上の方も10%弱おられます!!
人工的な白さよりもアイボリー色の残る温かみのある白さの方がさりげなく上品な印象に仕上がり、アンチエイジング効果を発揮するとのこと♪
また、歯を白くしたいけど削るのは嫌と思われている多くの方にとって、歯を傷めないのはもちろん、むしろ虫歯や歯周病の抑制まで期待できるのです。歯をきれいに保ち白さを長く維持したいという気持ちにもなり、定期的にメインテナンスを受け、セルフケアを丁寧にすることによって、ホワイトニングを受けた多くの方がその後の歯のトラブルが減ったと喜ばれるそうです(^^)
ホワイトニングはまず診察と検査、カウンセリングを行い自前の治療とクリーニングをします。
痛みや炎症が起きないよう虫歯を詰めたり、歯石をとるなどを済ませます。
現在のホワイトニング剤はマイルドブリーチでしみにくく、歯にやさしいものが主流となっていますが、
施術が困難なケースや避けたほうが良いケースもありますので、気になる方は一度かかりつけの歯医者さんで聞いてみてくださいね☆
~治療した歯の注意点~
2016年07月08日
今回は治療した歯の注意点について書いていきたいと思います。
患者さんの中には、金属で詰めたり被せたりした歯の方が丈夫だと思ってる方がいますが、これは間違いです。断然、天然の歯がよいのです。
もちろん、虫歯になってしまったら、人工物で補わなければなりません。
歯の形は人工物で復元できますが、人工物を支える元の歯は治療で削られて、かなり小さくなっているはずです。
しかも接着剤が介在しています。
三度の食事や歯ぎしりの重圧に耐え、唾液にさらされ、細菌が周囲に生息する環境で、どのくらいサバイバルできるのでしょうか。
みなさんは、歯の詰め物や冠が何度か外れた経験があると思います。
実のところ、成人では初めて虫歯になった歯よりも、以前に何らかの治療が施された歯の再治療のほうが圧倒的に多いのです!
統計によると、修復物の平均使用年数は6.9年、外れた歯を再治療した場合、その後の修復物の平均使用年数は5.4年と短くなっています。
つまり、治療された歯の手入れは、自然のままの歯より難しいのです。
人工物を製作する際は歯にぴったり装着するよう神経を使いますが、どれほど精密にしても歯と人工物の間には、細菌の大きさからいえばかなりのすき間ができてしまいます。
なので、その間に歯垢が溜まらないようしっかり歯磨きする必要があります。
そのほか、加圧により接着剤が破壊されないよう乱暴に噛まない、歯にべったりつくアメなどを食べる時は気をつけるなど注意が必要です。
嫌な思いをして治療した歯も、まだ虫歯になっていない歯も、だめにしてしまわないよう、詰め物や冠を歯に装着している方は虫歯を作ってしまった生活態度を改めて見直し、反省することが大事ですね(^_-)-☆
👄口臭👄の原因ってどんなのがあるの??⓶~歯科での対応~
2016年06月18日
前回、口臭について分類や原因物質を挙げました
今回は歯科の分野で対応でき、口臭の中で特に多い①生理的口臭と②病的口臭【歯周病由来】の原因と対策についてです
①生理的口臭
原因:生理的口臭の最大の発生源は舌苔(ゼッタイ)です。舌苔は舌の奥の方に付着する白~薄茶色の細菌塊です
舌苔を増加させる因子が何であるかははっきりとしていませんが、加齢とともに唾液分泌量が減少することがあります
舌苔などに繁殖した口腔常在菌、歯周病菌などが、食べかすなどに含まれるたんぱく質を分解 ➡
揮発性硫黄化合物発生 ➡ 揮発性硫黄化合物が唾液に溶ける ➡ 呼気に口臭成分が含まれる
対策:舌ブラシで舌磨きをしましょう。
舌ブラシで舌を磨くことによって口臭が減少し、味覚が向上することもあります
ただし、舌は歯肉(歯茎)よりもやわらかいため磨き過ぎには気を付けてください
出血するまで磨いてしまう方がいます
唾液腺をマッサージして唾液による舌の自然清掃を促してあげることも大事です
②病的口臭【歯周病由来】
原因:病的口臭のほとんどは歯周病によるものです。
歯周病の進行に伴って口臭が強くなっていきます
口臭の原因物質は歯周ポケット内の歯周病菌が産生する口臭成分メチルメルカプタンです
また歯周病の方は非常に多くの舌苔を持つことが知られており、口臭の強度をあげています
対策:歯周病由来の口臭への対応は歯周治療とセルフケアになります。
歯周治療とは歯医者さんで主に歯石除去などをとるようなクリーニングになります
歯周ポケット内をきれいに保ち、歯周病菌の数を減らし、歯周病の進行を防ぐことが大事です
また、毎日の患者さん自身のセルフケア(ブラッシングなど)もとても重要になります
※口臭成分の毒性について
揮発性硫黄化合物はいずれも毒性があり、歯周組織の破壊を進めます。特にメチルメルカプタンの毒性は高く、
その毒性は青酸ガスに匹敵するそうです。最近の研究では、歯周組織の破壊に最も強く関与しているのはメチルメルカプタン
とも言われています。
よって、歯周治療とセルフケアによって口臭を減らすことで、歯周病の進行を抑えることができるといえます。
地域のホームドクターを目標にする足立区の歯科医院です
足立区竹ノ塚のムラオ歯科クリニックは、地域の皆様に気軽に通っていただけるかかりつけの歯科医院を目指して2015年10月にオープンいたしました。全ての患者さんが安心して通えるよう、当院ではバリアを除去した設計になっています。また平日は夜8時まで、土曜日も診療していますのでお仕事で受診しにくい方も安心して通ってください。
当院の診療科目は、一般・小児・矯正歯科はじめ審美やインプラントそれに口腔外科も併設していてお口の健康をトータルにサポートいたします。デンタルCTはじめ、最新機器を使った精度の高い診療・治療をお約束いたします。
足立区竹ノ塚のムラオ歯科クリニックでは、患者さんとのコミュニケーションを重視した診療を行います。またホームページやデンタルブログを通してクリニックや歯科医療に関連する皆様にお知らせしたい情報を随時発信いたしておりますので、どうぞご覧ください。